旅の終わりtime travel
病床に臥した芭蕉は数日にして痩せ衰え、門人たちや
ぐっち
も
彼の死が近づいていることを観念した。深夜ふと目覚めた芭蕉は
枕もとの
ぐっち
を呼んで、硯に墨をすらせ、最後の一句を書いたのである。死に迫る病床にうつらうつらと
眠りながら夢を夢みたのである。「病中吟」と題されて辞世句ではないが芭蕉の生涯最後の句となる
旅の途上で病に倒れ、もはや再起はできぬと観念し、それでもなお旅への思いは絶ちがたく
まどろむごとに見る夢はあの山この野の冬枯れした光景、万木落葉し風吹きすさぶ広い枯れ野
をかけめぐる自分の姿であった
旅に病で 夢は枯野を かけ廻る