妻に見捨てられた
重病の息子とふたり
それから、ぐっち20年の
長い旅がつづいた
紅いマフラーなびかせて
雲から雲へ
しあわせの
スポットゾーンを探す旅
何回も何回も泣きながら
背にした海と
立ちはだかった山
紅いマフラーが
涙で蒼色になったり
虹色になったりしても
かけ橋は まだ見えない
風に肌が氷りつくとも
雨に骨がぼろぼろになっても
たどり着けない
ひとりぽっちの親子
何千回の涙のあと
やっと見つけたビルと
田舎の狭間の村町
ちいさな ちいさな
グーリンハウス
でも
やっぱり
だあれもいない部屋
置き忘れた
いのちだけが微笑む
だあれもいない部屋